はじめに:ハラスメント対策は「守り」ではなく「生存戦略」である
ここ数年人との関わり方にも大きな変化が来ており、ハラスメントに対しての意識もだいぶ高くなってきたように感じます
そんな中ひーくんあおくんパパの職場でハラスメント研修があったので少し抜粋してお伝え出来たらと考えています
ではよろしくお願いします
2026年、日本の職場環境は大きな転換点を迎えています。かつては「コミュニケーションの一環」として見過ごされてきた言動が、今や企業の存続を揺るがすリスクとして認識されています
先日行われた研修には、現代のハラスメントを象徴する言葉が並んでいました。パワハラ、セクハラ、マタハラといった代表的なものから、近年注目される「マルハラ(句読点ハラスメント)」「カスハラ(カスタマーハラスメント)」「スメラ(スメルハラスメント)」まで、その種類は多岐にわたります
本記事では、この研修資料を紐解きながら、ハラスメントが職場に与える影響、そしてなぜ現代の仕事が「集団」から「個人」へとシフトしているのか、その本質的な理由を解説します。
1. 昔と今:ハラスメントに対する価値観の劇的な変化
「熱血指導」と「パワハラ」の境界線
昭和から平成初期にかけて、職場は一つの「家族」のような擬似共同体でした。上司が部下を厳しく叱責することも、プライベートに踏み込むことも、「期待の裏返し」や「教育」として正当化される風潮がありました。
しかし、令和の今、その価値観は完全に崩壊しました。
資料にもある通り、ハラスメントの定義は「本人の意に介さず、他人を不快にさせる行為全般」です。ここには、「加害者の意図は関係ない」という冷徹な事実が含まれています。
• 昔: 「愛の鞭」「飲み会も仕事のうち」「根性論」
• 今: 「心理的安全性の確保」「ワークライフバランス」「ロジカルマネジメント」
多様化する「〇〇ハラ」の背景
資料の手書きメモには「マルハラ」「ヌーハラ(ヌードルハラスメント)」といった言葉も見受けられます。これは、かつては「個人の癖」や「文化」で済まされていた領域までが、他者の権利を侵害する対象になり得ることを示しています。SNSの普及により、個人の不快感が可視化・共有されやすくなったことが、ハラスメントの細分化を加速させています。
2. 令和の対応を続ける中で生まれる「新たな疑念」
コンプライアンスを遵守し、ハラスメントのない職場を目指すことは正しい方向です。しかし、厳格すぎる対応を続ける中で、現場には新たな「疑念」や副作用が生じ始めています。
「ハラスハラ(ハラスメント・ハラスメント)」の台頭
「これを言ったらハラスメントと言われるのではないか?」という過度な恐れが、管理職の萎縮を招いています。必要な指導すら行えなくなり、職場の成長が止まってしまうことへの疑念です。
表面的な「優しさ」への不信感
ハラスメントを恐れるあまり、上司と部下のコミュニケーションが極端に事務的になり、人間味のない「ドライすぎる関係」が構築されています。「自分は本当に評価されているのか?」「期待されていないから何も言われないのではないか?」という部下側の不安が、新たな不信感を生んでいます。
「無自覚な加害」への恐怖
「故意ではないので加害者としての意識がないことが多い」という一文は、全社員に「自分もいつ加害者になるかわからない」という疑心暗鬼を生じさせます。この緊張感が、職場から活気やユーモアを奪っているという側面も否定できません。
3. ハラスメントが組織と個人に与える甚大な影響
ハラスメントを放置、あるいは適切な対応を誤った場合の影響は、計り知れません。
① 組織の生産性低下と人材流出
過去3年間にハラスメントを受けた経験を持つ人は一定数存在します。被害を受けた個人はメンタルヘルスの不調をきたし、パフォーマンスが低下します。さらに、その様子を見ている周囲の社員も「この職場は危険だ」と判断し、優秀な層から順に離職していきます。
② 企業ブランドの失墜
現代は「個人の発信力」が強い時代です。内部告発やSNSでの拡散により、一度ハラスメント企業としてのレッテルを貼られると、採用活動は絶望的になります。特にZ世代以降の若手は、給与以上に「職場の雰囲気」や「風通しの良さ」を重視するため、致命傷となります。
③ 法的・経済的リスク
医療法人や一般企業を問わず、安全配慮義務違反による損害賠償請求のリスクは年々高まっています。裁判費用だけでなく、ブランド毀損による経済的損失は数億円規模に及ぶこともあります。
4. なぜ「集団」から「個人の仕事」が多くなっているのか?
現代の職場で顕著なのが、チームプレーによる「集団的労働」から、役割を明確に切り分けた「個人の労働」へのシフトです。これにはハラスメント問題が深く関わっています。
① コミュニケーションコストとリスクの回避
集団で仕事をすれば、当然摩擦が生じます。価値観の異なる人間が密に関わるほど、ハラスメントのリスクは高まります。企業は「不必要な接触」を減らすことで、トラブルを未然に防ごうとしています。ジョブ型雇用の推進は、その最たる例です。
② デジタル化とリモートワークの普及
ITツールの進化により、一人で完結できる業務範囲が広がりました。物理的に離れて働くことは、身体的なセクハラや、威圧的な態度によるパワハラを物理的に遮断する効果があります。結果として、「個で働く」ことが最も安全で効率的であるという結論に至っています。
③ 責任の所在の明確化
「みんなで頑張ろう」という集団主義は、責任の所在を曖昧にし、声の大きい者の意見が通る「同調圧力」を生みがちです。これがハラスメントの温床になります。一方、個人のタスクと責任(ジョブ)を明確にすれば、評価は「成果」のみに基づき、感情的な介入(=ハラスメント)を排除しやすくなります。
5. 理想の職場づくりへの展望:ハラスメントのない未来へ
研修資料の「目的」には、「ハラスメントのない理想の職場づくりをすること」と掲げられています。
これを実現するために必要なのは、単なる「禁止事項の暗記」ではありません。
1. 「個」の尊重と自立: 依存し合う関係ではなく、プロフェッショナルとして自立した個人が、必要な時だけ連携するスタイル。
2. アップデートの継続: 「マルハラ」のように、時代の変化とともに新しい価値観が生まれることを受け入れ、常に自分をアップデートする姿勢。
3. 心理的安全性の再構築: 「何も言わない」のではなく、「何を言っても攻撃されない」という信頼関係。
結びに代えて
ハラスメント対策は、決して「息苦しい世の中」にするためのものではありません。誰もが自分の能力を最大限に発揮し、不当に傷つけられることなく働ける環境を作るための「最低限のルール」です。
資料に書かれた「ハラスメントは自分は加害者という自覚がない」という言葉を、私たち一人ひとりが胸に刻む必要があります。他者への想像力を持ち続けることこそが、令和の時代を生き抜くビジネスパーソンの必須スキルと言えるでしょう。
ハラスメントのない職場環境づくりのために、まずは自社の現状をチェックしてみませんか?
もし貴社で、コミュニケーションの希薄化や指導方法の悩みがある場合は、専門家による「ハラスメント・コンサルティング」の導入も検討すべき時期かもしれません
パワハラなどは第三者機関に相談も出来るらしいので、『この発言はパワハラになるかな?』と疑問になる際は第三者機関に一度聞いてみていかがですか?
もしパワハラに当たる可能性ありますよと言われる事もあるかもしれませんが💦
次のステップとしておすすめのアクション
社内規定(就業規則)のハラスメント条項を最新版に更新する
無記名のアンケートを実施し、現場の「実態」を可視化する
定期的な研修を通じて、全社員の認識を共通化する
あなたは今の職場で、自分らしく働けていますか?
この記事がより良い職場環境を考えるきっかけになれば幸いです
