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【介護職員必見】現場で発覚!「疥癬(かいせん)」の恐怖。正しい知識と対策で集団感染を防ごう

こんにちは!ひーくんあおくんパパです。

先日、私の職場で「疥癬(かいせん)」の発生が発覚しました。介護施設や病院などの現場で働いていると、ノロウイルスやインフルエンザなど様々な感染症に気を配る必要がありますが、その中でも「疥癬」は独特の怖さがありますよね。

「うつったらどうしよう」「家族に持ち帰ってしまったら…」と不安に思う介護職員の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、介護現場の最前線で働く職員の目線から、疥癬の基礎知識から具体的な対応策、リネン類の扱い方、そして日々のケアにおける注意点まで、徹底的に解説していきます。分からないことが多い疥癬だからこそ、正しい知識を身につけて、自分自身と利用者様を守りましょう!

そもそも疥癬(かいせん)とは?

疥癬とは、「ヒゼンダニ」という非常に小さなダニ(体長約0.2〜0.4mm)が、人間の皮膚の角質層に寄生することで起こる皮膚の感染症です。ヒゼンダニは人間の体温を好み、皮膚に「疥癬トンネル」と呼ばれる横穴を掘って卵を産み、繁殖していきます。

疥癬には、大きく分けて以下の2つの種類があります。この違いを理解することが、感染対策の第一歩です。

通常疥癬

• ダニの数: 数十匹程度(比較的少ない)

• 症状: 夜間に眠れないほどの激しいかゆみ、赤いポツポツとした皮疹、手首や指の間などに水ぶくれや疥癬トンネルが見られる。

• 感染力: 比較的弱い。長時間の直接的な肌と肌の接触で感染する。

角化型疥癬(ノルウェー疥癬)

• ダニの数: 100万〜200万匹以上(非常に多い)

• 症状: 通常疥癬のような激しいかゆみがない場合もある。皮膚の角質が厚く硬くなり、フケのようにボロボロと剥がれ落ちる(落屑:らくせつ)。

• 感染力: 非常に強い。短時間の接触や、剥がれ落ちた角質(垢)に触れただけでも感染する。集団感染の主な原因となる。

免疫力が低下している高齢者は、通常疥癬から角化型疥癬に移行しやすい傾向があるため、介護現場では特に注意が必要です。

どこから感染するのか?感染経路を解説

ヒゼンダニは、人の皮膚から離れると長くは生きられません(長くても数日程度)。そのため、感染のほとんどは「人から人へ」の接触によって起こります。

感染経路は主に以下の2パターンです。

直接接触による感染

肌と肌が直接触れ合うことで、ダニが移動して感染します。通常疥癬の場合は、長時間(一緒に布団で寝るなど)の接触が必要とされていますが、角化型疥癬の場合は、手を握るなどの短時間の接触でも感染するリスクがあります。

間接接触による感染

ヒゼンダニが付着した衣類、シーツ、タオルなどを介して感染します。通常疥癬ではまれですが、角化型疥癬の場合は、ベッドメイキングでシーツをバサバサと払った際に舞い上がった角質(ダニを含む)を吸い込んだり、付着したりすることで感染が広がる可能性があります

介護現場において日常的に感染リスクはあるのか?

結論から言うと、介護現場には「常に疥癬の感染リスクが潜んでいる」と言わざるを得ません。

私たち介護職員の仕事は、利用者様のお身体に直接触れる「身体介護」が中心です。以下の場面は、特に注意が必要です。

• 入浴介助(肌に直接触れる、更衣を手伝う)

• 排泄介助(おむつ交換、陰部洗浄など)

• 移乗介助や体位変換(密着して体を支える)

• 着替えの介助(衣類に触れる)

• シーツ交換・リネン交換

特に、利用者様が新しく施設に入所された際や、ショートステイを利用される際、病院から退院してこられた際などは、すでに疥癬に感染している(潜伏期間中である)可能性もゼロではありません。

日常的にリスクがあるからこそ、「スタンダードプリコーション(標準予防策)」を徹底することが、最大の防御策となります。

もし疥癬患者様(利用者様)と接触してしまったら?

「昨日介助した利用者様が、今日になって疥癬と診断された!」

介護現場では、このような事態が起こり得ます。もし接触してしまったと分かったら、どのように行動すべきでしょうか。

1. 決して慌てないこと

通常疥癬の場合、短時間の接触(おむつ交換や移乗など)で直ちに感染する確率は高くありません。まずは冷静になりましょう。

2. 手洗いの徹底と報告

接触が分かった時点で、石鹸と流水でしっかりと手洗い・手指消毒を行いましょう。そして、直ちに職場の管理者や看護師(感染対策委員など)に報告し、指示を仰ぎます。

3. 自身の症状を観察する(潜伏期間に注意)

疥癬の潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は、通常疥癬で約1〜2ヶ月です。この期間は、自身の皮膚に異変がないか、夜間に異常なかゆみが出ないかを毎日チェックしてください。(※以前に疥癬に感染したことがある人は、数日で症状が出ます)

4. 家族への感染を防ぐ

もし自分に感染の疑いがある場合は、自宅でもタオルを家族と分ける、一緒の布団で寝ないなどの配慮が必要です。少しでもかゆみや皮疹が出たら、速やかに皮膚科を受診し「介護職であり、職場で疥癬患者と接触した」と医師に伝えてください。

介護職員ができる疥癬への対応と対策

施設内で疥癬の発生が確認された場合、感染を広げないための徹底した対応が求められます。

スタンダードプリコーション(標準予防策)の徹底

すべての利用者様に対して、血液、体液、分泌物、排泄物、傷のある皮膚、粘膜には感染の可能性があるとみなして対応します。1ケア・1手洗い(手指消毒)が基本です。

接触感染予防策の実施(角化型疥癬の場合)

角化型疥癬の場合は、感染力が非常に強いため、以下の厳重な対策が必要です。

• 個室隔離: 原則として個室での対応となります。

• 個人防護具(PPE)の着用: 訪室する際は、必ず使い捨てのガウン(エプロン)、手袋を着用します。ケアが終わったら、室内で防護具を脱ぎ、適切に廃棄してから退室します。

• 専任の担当者を決める: 可能な限り、ケアにあたる職員を限定します。

• 器具の共有を避ける: 血圧計や聴診器などは専用のものを用意し、他の利用者様と使い回さないようにします。

通常疥癬の場合は、一般的に個室隔離や厳重な防護具までは不要とされていますが(手袋着用などは施設基準に従う)、施設の感染対策マニュアルに沿って対応してください

ヒゼンダニ(疥癬)を確実に死滅させる方法

ヒゼンダニを退治するためには、彼らの弱点を知る必要があります。ヒゼンダニは「熱」と「乾燥」に非常に弱いです。

医療機関での治療

根本的な治療は、皮膚科医による処方薬を使用します。

• 内服薬(イベルメクチン): 体の中からダニを殺します。

• 外用薬(スミスリンローション、クロタミトンなど): 首から下の全身に隙間なく塗布します。

熱による殺虫

ヒゼンダニは、50℃で10分間の熱処理で確実に死滅します。衣類やリネンの処理には、この「熱」を利用します。

乾燥による殺虫

人間の体から離れると、温度や湿度にもよりますが、長くは生きられません。ビニール袋などに密閉して2週間程度放置すれば、餓死・乾燥死します。

※なお、一般的なアルコール消毒剤(エタノール)や、次亜塩素酸ナトリウム、一般的な殺虫剤は、ヒゼンダニの卵には効果が薄いため、環境清掃のメインとしては推奨されていません。掃除機による物理的な吸引(ダニや角質の除去)が有効です。

疥癬患者様の衣類やリネン類の適切な扱い方

ここが介護現場で最も悩むポイントの一つです。不適切な扱い方をすると、洗濯のプロセスで他の衣類にダニを移してしまう可能性があります。

角化型疥癬の場合のリネン処理

感染力が強いため、他の利用者様の洗濯物とは完全に分けて処理します。

1. 回収: 部屋でリネンを外す際は、バサバサと振らないように静かに丸め、水溶性のビニール袋(そのまま洗濯機に入れられる袋)や、密閉できる袋に入れます。

2. 熱処理: 50℃以上の熱水で10分以上洗濯するか、洗濯後に熱風乾燥機を使用します。

3. アイロン・熱湯: 乾燥機がない場合は、熱湯に浸ける(50℃以上10分)、またはアイロン掛けも有効です。

4. 放置: 熱処理が難しい素材の衣類は、ビニール袋に密閉し、2週間ほど放置してダニを死滅させてから通常の洗濯を行います。

通常疥癬の場合のリネン処理

通常疥癬の場合は、衣類やシーツを介した感染リスクは低いとされています。そのため、他の利用者様のものと一緒に通常の洗濯を行っても問題ないとされることが多いですが、念のため個別で洗濯・乾燥を行う施設も少なくありません。施設のルールに従って対応しましょう。

毎日の入浴・スキンケアに潜むリスクと改善策

入浴介助は、介護現場における疥癬感染のリスクが最も高まる場面の一つです。

入浴時のリスクと対策

角化型疥癬の利用者様が入浴した場合、浴室内に剥がれ落ちた角質(ダニを含む)が残る可能性があります。

• 入浴の順番: 感染している利用者様の入浴は、一番最後にします。

• 浴室の清掃: 入浴後は、浴室の床やシャワーチェアなどを熱めのシャワーでしっかりと洗い流し、洗剤を用いて清掃します。バスマットなどは使い捨てのペーパータオルにするか、専用のものにして毎回交換・熱処理します。

• 通常疥癬の場合: 通常疥癬の方も、念のため順番を最後にするか、使用後のシャワーチェアの洗浄を念入りに行いましょう。

スキンケアで皮膚バリア機能を高める

高齢者の皮膚は乾燥しやすく、皮膚のバリア機能が低下しています。バリア機能が低下していると、少しの摩擦で傷がつきやすく、感染症にもかかりやすくなります。

• 過度な洗浄を避ける: ゴシゴシとナイロンタオルで擦るような洗い方は、皮膚を傷つけます。たっぷりの泡で優しく手洗いすることを心がけましょう。

• 徹底した保湿: 入浴後は、5分以内に保湿剤(ローションやクリーム)を全身に塗布しましょう。日々の保湿ケアによって皮膚の水分と油分を保ち、健康な状態(バリア機能が高い状態)を維持することが、間接的な感染予防に繋がります。

疥癬の治療薬(外用薬)を塗る際も、事前に保湿をして皮膚の状態を整えておくことで、薬の副作用である肌荒れを防ぐ効果も期待できます

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、介護職員の目線から「疥癬(かいせん)」の基礎知識と具体的な対策について解説しました。

「ヒゼンダニ」と聞くとゾッとしてしまいますが、相手の正体(特徴や弱点)を正しく理解していれば、過度に恐れる必要はありません。

• 通常疥癬と角化型疥癬の違いを理解する

• 熱(50℃で10分)と乾燥に弱いことを知る

• 日常からの標準予防策(手洗い・手袋など)を徹底する

• 疑わしい症状(夜間の強いかゆみなど)があれば、早期発見・早期治療に繋げる

私たち介護職員が正しい知識を持ち、冷静に対応することが、感染拡大を防ぐ最大の鍵です。職員自身の健康を守ることは、最終的に利用者様全員の安全で安心な生活を守ることに直結します。

この記事が、介護現場で働く皆様の不安を少しでも解消し、適切な感染対策の一助となれば幸いです。明日からのケアも、安全第一で頑張っていきましょう!

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