ラグビーにおいて、パスは単なる「ボールの移動」ではなく、チームの意志を繋ぐ「生命線」です。その中でも、鋭く回転をかけて遠くへ飛ばすスクリューパス(スピンパス)は、バックス(BK)だけでなく、現代ラグビーではフォワード(FW)にとっても必須のスキルとなっています。
この記事では、スクリューパスの基礎から応用、さらにはラグビーというスポーツの真髄までを私の感覚も踏まえて徹底解説します。
ラグビーを始めたばかりの方も、さらなるレベルアップを目指す経験者の方も、まずは「パス」の本質に立ち返ってみましょう
私もつい半年くらい前に13年振りくらいにラグビーをやり出し再度スクリューパスへの見直しをかねて今回の内容を書いています😭
1. スクリューパスの基本:持ち方と指の使い方
スクリューパスを成功させる鍵は、投げる瞬間の「回転」にあります。しかし、その回転を生むのは腕の力ではなく、指先の繊細なコントロールと手のひらの使い方です。
ボールの持ち方(セットアップ)
- 縫い目(シーム)を意識する: ラグビーボールには4枚のパネルを繋ぎ合わせる縫い目があります。ここに指をかけることで、強い摩擦(グリップ)が生まれます。
- 手のひらを密着させない: ボールと手のひらの間に、わずかな隙間(指1〜2本分)を作るのがコツです。指の腹でボールを包み込むように持ちます。
- 中心よりやや後ろを握る: 投げる方向と反対側(後ろ側)の手が回転を生み、前方の手は方向をガイドする役割を担います。
指の使い方とリリースの瞬間
- 「弾く」感覚: 投げる瞬間に、小指から順番に指を離していき、最後に人差し指と中指でボールを引っ掛けて回転をかけるイメージです
- ☝️ちなみに私は人差し指や人差し指と中指が同時にかかるとコントロールがつけにくいので中指でスピンをかけて回転をつけています
- フォロースルー: 投げ終わった後、両手の指先がターゲット(受け手)を指していることが重要です。これを「ターゲット・ポインティング」と呼びます
2. スクリューパスの投げ方:全身の連動
腕だけで投げようとすると、距離が出ないばかりかコントロールが乱れます。全身のバネを使いましょう。
ステップバイステップ・ガイド
ステップ動作のポイント注意点
1. キャッチ胸の前でしっかりキャッチし、すぐに持ち替える。目線をボールから離さない。
2. 踏み込み投げる方向に足を一歩踏み出し、体重を移動させる。軸足がふらつかないように。
3. スイング振り子のように、下から上、後ろから前へスイング。肘を柔らかく使う。
4. スナップリリースの瞬間に手首を返し、スピンをかける。力みすぎると回転が乱れる。
5. フォロー投げた後、両手をターゲットに向かって伸ばし切る。腕を途中で止めない。
よくある失敗と改善策
「ボールが縦に揺れてしまう」 原因:指が同時に離れている、または手のひら全体で押し出している。 改善:最後の一押しを「人差し指」に集中させ、綺麗な螺旋を描くよう意識しましょう。
3. その他のパスの種類
ラグビーには、状況に応じて使い分ける多様なパスが存在します。スクリューパス以外もマスターすることで、プレーの幅が劇的に広がります。
① ポップパス(ショートパス)
すぐ隣の味方に手渡すような短いパスです。
- 用途: クラッシュした直後の密集付近や、走り込んできた味方への受け渡し。
- コツ: 回転をかけず、相手の胸元に「置いておく」イメージで優しく放ります。
② ミスパス(スキップパス)
隣の選手を飛ばして、さらに外側の選手へ送るパスです。
- 用途: 相手ディフェンスが内に絞っている際、一気に大外へ展開する場合。
- コツ: スクリューパスで低く鋭い軌道を描く必要があります。滞空時間が長いとインターセプトの餌食になります。
③ オフロードパス
タックルを受けながら、倒れる直前に出すパスです。
- 用途: 攻撃のテンポを落とさず、連続攻撃を仕掛ける際。
- コツ: 片手でボールをコントロールする握力と、コンタクトの中での冷静な状況判断が求められます。
④ ダイビングパス
スクラムハーフ(SH)がよく使う、地面にあるボールを飛び込みながらさばくパスです。
- 用途: 密集から素早くボールを供給し、攻撃のリズムを作る。
4. 効果的な練習方法
スキルを定着させるには、反復練習が不可欠です。
【個人練習】壁当てパス
一人でできる最も効果的な練習です。
- 壁から3〜5m離れて立つ。
- 壁の特定のポイント(印をつけると良い)を狙ってスクリューパス。
- 跳ね返ってきたボールを正確にキャッチ。
- ポイント: 左右両方の手で同じように投げられるようにしましょう。ラグビーにおいて「逆手が使えない」のは致命的です。
【ペア練習】歩きながらのパス
2人1組になり、5mほどの間隔を空けて歩きながらパスを交換します。
- 進化系: ジョギング、全速力とスピードを上げていきます。
- 意識: 相手の「ハンズアップ(胸の前で手が準備されている状態)」の位置に正確に放り込みます。
【実践練習】3対2のパス回し
数的不利な状況でディフェンスを揺さぶり、空いているスペースへパスを送る練習です。
- 目的: 技術だけでなく「いつ、どのパスを使うか」という意思決定能力を養います。
5. ラグビーの素晴らしさ:なぜ私たちは楕円球を追うのか
技術の習得も大切ですが、ラグビーというスポーツの背景にある「精神」を知ることで、プレーはより深みを増します。
「One for All, All for One」の真意
よく耳にするこの言葉ですが、ラグビーでは「一人はみんなのために、みんなは一人の(勝利の)ために」という意味だけでなく、「一人はみんなのために、みんなは一つの目的(ゴール)のために」と解釈されることもあります。 15人という多人数が、それぞれの役割(ポジション)を全うしなければ勝利は掴めません。体が大きく力強い選手も、小柄で足が速い選手も、それぞれが「主役」になれる多様性がラグビーの魅力です。
ノーサイドの精神
試合終了のホイッスルが鳴れば、敵も味方も関係なく称え合う「ノーサイド」。激しく体をぶつけ合ったからこそ生まれる、深い尊敬(リスペクト)の念は、他のスポーツにはないラグビー独特の文化です。
品位・情熱・結束・規律・尊重
これらはワールドラグビーが掲げる「5つのコアバリュー」です。ラグビーをプレーすることは、単なる運動能力の向上ではなく、人間としての成長に繋がっています。
6. まとめ:技術の先にあるもの
スクリューパスを磨くことは、チームのチャンスを広げることに直結します。 指先のミリ単位の感覚、全身の連動、そして仲間を思いやるパスの質。これらが噛み合ったとき、ラグビーのプレーは芸術的な美しさを見せます。
技術習得に近道はありませんが、楽しみながらボールに触れ続けることが一番の上達法です。今日からグラウンドで、あるいは公園で、指先の感覚を意識しながら一投一投を大切に投げてみてください。
次にあなたが取り組むべきステップ
この記事を読んで「スクリューパスの感覚を掴みたい!」と思った方は、まず「家の中でボールを真上に放り投げ、指先で回転をかける感覚」を10回だけ試してみてください。それだけで、次の練習でのボールの感触が変わるはずです
努力と練習は裏切らないのでしっかり練習していきましょうね💪
