【介護をする人必見】初心者でも安心!食事介助の正しい方法と「飲み込み」をスムーズにするプロのコツ

ご家族の介護、毎日お疲れ様です。食事は毎日のことですから、「これで合っているのかな?」「もし詰まらせたらどうしよう」と不安に思うのは、それだけ相手を大切に思っている証拠です。
今回は、初心者の方でも自信を持って実践できるよう、食事介助の基本から緊急時の対応、さらにはプロが実践する「飲み込みの確認方法」までを記載したブログ内容を今回書いてみました

介護職員や介護の仕事や知識に興味がある方は是非見てもらえればと思います!


介護において「食べる」ことは、栄養を摂るだけでなく、生きる喜びそのものです。しかし、加齢や病気によって飲み込む力(嚥下機能)が低下すると、誤嚥(ごえん)や窒息のリスクが伴います。
今回は、介護者が知っておくべき安全な食事介助のポイント、嚥下確認の意味、そして万が一「むせた」時の対応について、わかりやすく解説します。

  1. 食事介助を始める前の「3つの準備」
    介助を始める前に、まずは「食べやすい環境」を作ることが最優先です。
    ① 正しい姿勢(ポジショニング)
    椅子に座る場合は、足の裏がしっかりと床につくように調整してください。
  • あごを軽く引く: あごが上がると気道が広がり、食べ物が肺に入りやすくなります(誤嚥の原因)。
  • 前かがみの姿勢: 軽く前傾姿勢をとることで、飲み込みやすくなります
    ② 口腔ケアと覚醒の確認
    寝起きでぼんやりしていると、反射が遅れて誤嚥しやすくなります。
  • 「これからご飯ですよ」と声をかけ、意識をはっきりさせましょう。
  • おしぼりで手を拭く、お茶で口を潤すなど、食事のスイッチを入れます。
  1. 安全な食べさせ方とペース
    食事介助で最も大切なのは、「介助者のペースではなく、本人のペースに合わせる」ことです。
    食べさせるペースの目安
  • 一口の量: ティースプーン1杯程度(約5〜10ml)が目安です。多すぎると丸飲みになり、少なすぎると飲み込みの反射が起こりにくくなります。
  • 次の一口を入れるタイミング: 完全に飲み込んだことを確認してから、一呼吸置いて次を運びます。

[理想的なスプーンの運び方]

  • スプーンを下唇の上に軽く置く。
  • 本人が口を開けたら、舌の上に食べ物を置く。
  • スプーンを水平に引き抜く(上あごに擦り付けない)。
  • 口を閉じ、飲み込むのを待つ。
  1. 「嚥下(えんげ)確認」と「追加嚥下」とは?
    安全に食事を進めるための専門的なテクニックを解説します。
    嚥下確認の方法
    食べ物がしっかり喉を通過したかを確認することを「嚥下確認」と言います。
  • 喉仏(のどぼとけ)の動きを見る: ごっくんと喉仏が上下に大きく動いたかを確認します。
  • 口腔内の確認: 飲み込んだ後、口を開けてもらい、頬の脇や舌の上に食べ残しがないかを見ます。
    追加嚥下(ついかえんげ)
    「ごっくん」と一回飲み込んだ後、食べ物を持たずに「もう一度空飲み」してもらうことです。
    喉の奥に残ったわずかな食べかすを、完全に胃へ送り込む効果があります。
    交互嚥下(こうごえんげ)
    「パサつくもの」の後に「ゼリー状のものや水分」を摂る方法です。
  • 例:ご飯(固形)→ お茶(水分)→ おかず(固形)
    喉に残りやすい食べ物を、水分や滑りの良いもので洗い流すイメージです。


食事の種類(形態)を知る

本人の噛む力・飲み込む力に合わせて、食事の形を変える必要があります。

食事の呼び方/特徴/対象者/

常食(じょうしょく)一般的な食事咀嚼・嚥下に問題がない方

軟飯・きざみ食柔らかく炊く、細かく切る噛む力が少し弱まった方

ソフト食・ムース食舌でつぶせる柔らかさ噛む力が弱く、送り込みが苦手な方

ミキサー食・ペースト食滑らかな液体状咀嚼が困難で、誤嚥リスクがある方

※ポイント: 「きざみ食」はバラバラになりやすく、かえって誤嚥を招くことがあります。その場合は、とろみ剤を使って「まとまり」を持たせましょう。むせたり、喉に詰まらせたりした時の対応もし食事中にむせ込んでしまったら、慌てず以下の対応をとってください

むせた時の基本:咳をさせる「大丈夫?」と背中を叩きたくなりますが、まずは強く咳をしてもらうことが一番です。咳は異物を外に出そうとする自然な防御反応です。詰まった(窒息)のサイン

  • 声が出せない
  • 顔色が急に悪くなる(チアノーゼ)
  • 喉をかきむしる動作(チョークサイン)
    緊急処置:背部叩打法(はいぶこうだほう)
  • 本人の体を少し前傾させます。
  • 手のひらの付け根で、左右の肩甲骨の間を力強く、叩き上げるように何度も叩きます。
    注意: 意識がない場合や、自力で出せない場合はすぐに119番通報してください。
  1. 自助具(じじょぐ)の賢い使い方
    「自分で食べたい」という意欲を支えるのが、便利な介護用食器です。
  • 太グリップのスプーン: 握力が弱くても持ちやすいよう、柄が太くなっています。
  • 曲がるスプーン: 手首を返さなくても口元に運べるよう、ヘッドの角度を変えられます。
  • すべり止めマット: お皿が動かないように固定します。
  • 縁が高いプレート: スプーンで食べ物をすくいやすくなります。
  1. まとめ:笑顔で食事を楽しむために
    食事介助は技術も大切ですが、何より「ゆったりとした雰囲気」が最高のスパイスです。介助者が急いでいると、その緊張は本人に伝わり、喉が収縮して誤嚥しやすくなってしまいます。
    「美味しいね」「今日は天気がいいですね」と声をかけながら、楽しい時間を共有しましょう☺️

食事の形態を紹介しましたが、では次は食事の種類について解説して行こうと思います

「疾患別の食事管理について」


介護現場では、単に「食べやすい形」にするだけでなく、持病に合わせて「栄養成分」を調整することが非常に重要です。これを「療法食」と呼びます


【疾患別】知っておきたい「療法食」のポイントと工夫
高齢になると、複数の持病(既往歴)を持っていることが珍しくありません。病状を悪化させず、かつ美味しく食べてもらうためのポイントを疾患別に整理しました。

  1. 糖尿病(エネルギー調整食)
    糖尿病の食事で大切なのは、単に「甘いものを控える」ことではなく、「適切なエネルギー(カロリー)内で、必要な栄養をバランスよく摂る」ことです。
  • 基本のルール: 医師から指示された1日の総エネルギー量を守る。
  • 工夫のコツ:
  • ベジタブルファースト: 野菜(食物繊維)から先に食べることで、血糖値の急上昇を抑えます。
  • 低GI食品の活用: 白米を玄米や麦ご飯に変えるなど、吸収が穏やかな食材を選びます。
  • 人工甘味料の活用: 煮物などの味付けに、カロリーゼロの甘味料を使うと満足度を維持できます。
  1. 高血圧症(減塩食)
    高血圧は脳卒中や心疾患のリスクを高めるため、塩分管理が欠かせません。
  • 基本のルール: 一般的に1日6g未満を目安にします。
  • 工夫のコツ:
  • 「出汁(だし)」を効かせる: 昆布やかつお節でしっかり出汁をとると、塩分が少なくても旨味を感じやすくなります。
  • 酸味と香辛料: レモン、すだち、お酢などの酸味や、カレー粉、生姜、ニンニクなどの香辛料を使うと、味にアクセントが出ます。
  • 表面に味をつける: 煮込むよりも、食べる直前に醤油を「つける」方が、少量で塩気を感じられます。
  1. 腎臓病(たんぱく質・カリウム制限食)
    腎臓への負担を減らすため、非常に細かな調整が必要になる、最も難易度が高い食事管理です。
  • 基本のルール: たんぱく質、塩分、カリウム、リンの制限。
  • 工夫のコツ:
  • エネルギー(カロリー)をしっかり摂る: たんぱく質を減らす分、油脂類や糖質でエネルギーを補い、自分の筋肉が分解されるのを防ぎます。
  • カリウム対策: 生野菜や果物にはカリウムが多く含まれます。野菜は「茹でこぼし」や「水にさらす」ことでカリウムを減らすことができます。
  • 専用食品の活用: 低たんぱく米や低たんぱく麺など、市販の専用食品を使うと計算が楽になります。
  1. 心疾患・脂質異常症(脂質制限食)
    動脈硬化を防ぐために、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を抑えます。
  • 基本のルール: 揚げ物や脂っこい肉を控え、食物繊維を積極的に摂る。
  • 工夫のコツ:
  • 調理法の工夫: 「揚げる」より「焼く」、「焼く」より「蒸す・茹でる」を選び、油を落とします。
  • 青魚を摂る: 血液をサラサラにする成分(EPA・DHA)を含む、サバやイワシなどの青魚を献立に取り入れましょう。
  1. 認知症(環境と形状の工夫)
    認知症の方は、「これが食べ物である」と認識できなくなったり(失認)、じっと座って食べられなくなったりすることがあります。
  • 工夫のコツ:
  • 色彩をはっきりと: 白いお皿に白いご飯だと境目がわかりにくいため、色の濃いお皿を使って視認性を高めます。
  • 手づかみ食べの推奨: お箸が使えなくなった場合は、おにぎりやサンドイッチなど、手で持って食べやすい形状(フィンガーフード)に。
  • ワンプレートにする: 品数が多すぎると混乱するため、一つのお皿にまとめるのも効果的です。

    | 疾患名 | 制限・調整が必要なもの | おすすめの工夫 |

    | 糖尿病 | カロリー、炭水化物 | 野菜から食べる、決まった時間に食べる |

  • | 高血圧 | 塩分(ナトリウム) | 出汁、酸味、ハーブの活用 |

  • | 腎臓病 | たんぱく質、カリウム、リン | 野菜の茹でこぼし、低たんぱく食品の利用 |

  • | 心疾患 | 脂質(動物性油)、塩分 | 蒸し料理、青魚の摂取 |

  • | 認知症 | (環境・認識のサポート) | 手づかみ食べ、色のコントラスト |

  • 介助者が無理をしないために
    疾患に合わせた料理を毎食手作りするのは、介護者にとって非常に大きな負担です。最近では、「腎臓病用」「糖尿病用」といった冷凍の宅配弁当(ムース食・きざみ食対応)も充実しているようなので是非興味がある方は調べて見て下さいね☝️
    「手作りしなければ」と抱え込まず、こうしたサービスを賢く利用して、介護者自身の休息時間も確保できる事もあります

今回は食事介助のポイントと食事の種類、形態について書いていきましたが、次回は食事の際のポジショニングだったりこれが拘束になるの?と言う内容について書いていこうと思います

投稿者 ひーくんあおくんパパ

子育てとお出かけ、体験などのブログを書いているひーくんあおくんパパです。35歳仕事は介護福祉士の資格を持っており病院にて勤務しております。